北海道でのツーリングは、多くのライダーにとって一度は走ってみたい憧れの旅路です。
しかし、その魅力を存分に味わうためには「時期」の選び方が非常に重要です。
春夏秋冬、どの季節に出発するかによって、景色・気候・道路状況・混雑具合が大きく変わるため、あらかじめ情報を整理しておく必要があります。
特に初心者にとっては、無理のない「初心者 ルート」を選ぶことが、旅を快適にする第一歩となるでしょう。
1から3月は極寒と積雪によりツーリングに不向きな時期であり、冬装備でも厳しい走行条件となります。
一方、4から6月は雪解けとともに景観が色づき始め、快適な走行が可能になるシーズンです。
そして7から9月は、まさに北海道ツーリングのベストタイミング。晴天が多く、気温も過ごしやすいため、多くのライダーが集まります。
10から12月にかけては再び寒さが増し、場所によっては路面の凍結や積雪が始まるため、慎重な判断が求められます。
また、旅の「日数」に応じてルート選定の工夫も必要です。
例えば「5日間 ルート」であれば、道央から道東方面までを無理なく巡るプランが組めます。
距離が長くなりがちな北海道では、詰め込みすぎると疲労やトラブルの原因にもなり、「後悔」につながりかねません。
この記事では、北海道ツーリングの時期別特徴やおすすめルートを紹介しながら、初めての人でも安心して計画できるよう丁寧に解説していきます。
ポイント
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北海道ツーリングの時期ごとの気候や路面状況
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ベストシーズンと避けるべき季節の違い
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時期に応じた服装や装備の選び方
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ツーリング日数やルート計画のポイント
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北海道ツーリング時期の選び方ガイド
1から3月の特徴
1月から3月にかけての北海道は、ツーリングには極めて不向きな時期です。
というのも、この期間は本州とは比べものにならないほど厳しい冬の寒さと積雪に見舞われており、二輪車での移動が物理的に困難だからです。
この時期の北海道では、道内全域で道路に雪が積もるほか、場所によってはアイスバーンや吹雪による視界不良が頻発します。
主要都市であっても雪かきが追いつかないことが多く、路面状況は非常に悪化します。
さらに、バイクのタイヤは雪道や凍結路面に対応しておらず、転倒やスリップのリスクが高まります。
こうした理由から、多くのライダーが冬季の北海道でのツーリングを避けています。
また、道路事情に加え、気温もマイナス10度を下回る日が珍しくありません。
防寒装備をいくら整えたとしても、走行中に体温が奪われやすく、体力の消耗も激しくなります。
特に初心者にとっては過酷すぎる環境であり、無理な走行は命に関わるケースすらあります。
このように、1月から3月の北海道はツーリングには適しておらず、観光地や宿泊施設も冬季閉鎖されている場所が多いため、行動範囲が制限されるという点にも注意が必要です。
どうしてもこの時期に北海道を訪れたい場合は、鉄道やレンタカーなど他の交通手段を選ぶことが現実的です。
4から6月の気候と魅力
4月から6月にかけての北海道は、雪解けが進み、ツーリングシーズンの幕開けといえる時期です。
ただし、月によって気候の特徴が大きく異なるため、注意が必要です。
まず4月は、道南や札幌周辺では雪がほとんど解けて走行できるものの、道東・道北エリアではまだ残雪があり、一部の峠道や高地では通行止めが続いていることがあります。
また、気温も5〜10度前後とまだ冷える日が多く、防寒対策は必須です。
5月になると、気温は一気に上昇し、日中は15度を超える日が増えてきます。
この頃から本格的にツーリングを楽しめるようになります。
道内各地では桜が開花し、本州とは1ヶ月以上ずれた春の景色を満喫できる点がこの時期ならではの魅力です。
観光地も営業を再開し始め、ライダー向けのキャンプ場や温泉地も賑わいを見せ始めます。
6月はツーリングに最適な気候で、昼間は20度前後と過ごしやすく、梅雨の影響がほとんどない点が本州との大きな違いです。
快晴の日が続き、道内の雄大な自然や海岸線を存分に走れる季節です。
農村エリアでは広大な畑の風景が広がり、ライディング中の景観としても抜群のロケーションが続きます。
ただし、道内の気温差が大きく、朝晩は一桁台まで冷え込むことがあるため、重ね着や脱ぎ着しやすい装備を整えておくと安心です。
また、道路の一部に冬の傷みが残っていることもあるため、路面状況を見ながら慎重に運転することが大切です。
7から9月のベストシーズン
7月から9月の北海道は、多くのライダーにとって“理想的なツーリングシーズン”といえる時期です。
気温、天候、景色、イベントなど、あらゆる面でバランスが取れており、年間を通じてもっとも快適にツーリングが楽しめる時期といえます。
7月は本州の梅雨が続いている中、北海道ではすでにカラッとした晴天が広がり、気温も25度前後と快適です。
湿度も低いため、バイクで長距離を走っても不快感が少なく、快適に風を切ることができます。
この時期はライダーが一斉に北海道を目指す時期でもあり、全国から多くのバイクが集まるシーズンとなります。
8月はさらにツーリング熱が高まる季節で、道内では夏祭りや花火大会などのイベントが盛んに行われています。
日照時間も長く、1日で長距離を移動することが可能なため、効率よく観光地を巡ることができます。
一方で、お盆の時期はフェリーや宿の予約が取りづらくなる傾向があるため、早めの計画が重要です。
9月に入ると、少しずつ気温が下がり始めるものの、上旬であればまだまだ快適なツーリングが可能です。
中旬以降になると紅葉が始まり、山岳エリアでは一足早い秋の景色が楽しめます。
観光客のピークも過ぎるため、混雑を避けてゆったりと走りたいライダーには、むしろ9月の方が向いているかもしれません。
とはいえ、この時期も急な天候の変化や、朝晩の冷え込みには注意が必要です。
特に9月後半は場所によって10度を下回ることもあるため、防寒具を1枚持っておくと安心です。
このように、7月から9月は気候条件が安定しており、北海道の自然と観光を存分に楽しめる絶好のタイミングです。
初めて北海道を訪れるライダーにも、自信を持っておすすめできるベストシーズンだといえるでしょう。
10から12月の注意点
10月から12月の北海道は、季節の変わり目から本格的な冬の入り口に差しかかる時期です。
この期間にツーリングを計画する場合は、気候の変化だけでなく、走行条件にも細心の注意を払う必要があります。
10月の上旬であれば、道南や札幌周辺ではまだ秋のツーリングが楽しめる日が多く、紅葉も見頃を迎えます。
気温も日中は15度前後あり、天気の良い日は快適に走行できるでしょう。
しかし、月末にかけて一気に冷え込むようになり、道北や道東では雪が降り始める地域も出てきます。
こうなると、一部の峠道では早くも通行止めになる場所が出てきます。
11月に入ると、ツーリングに適した気候とは言えなくなってきます。
寒さが一段と厳しくなり、最低気温が氷点下になる日が多くなります。
また、北海道は地域によって積雪の時期が異なるため、目的地の天候情報をこまめに確認することが欠かせません。
特に早朝や夜間は路面が凍結しやすく、スリップ事故のリスクが高まります。
12月になると、本格的な冬に突入します。
ほとんどの地域で雪が積もり始め、二輪での走行は非常に危険です。
市街地であってもブラックアイスバーンと呼ばれる見えない凍結が発生し、転倒するライダーが後を絶ちません。
また、観光地やキャンプ場の多くも営業を終了するため、立ち寄れる施設が限られます。
このように、10月から12月にかけてのツーリングには気象条件と路面状況に対する柔軟な対応が求められます。
出発前にしっかりと気象情報をチェックし、日帰り圏内の無理のないルートに絞るなど、安全を最優先に考えた行動が重要です。
日数の目安と計画方法
北海道は広大な面積を持つため、ツーリングに必要な日数や計画の立て方が本州とはまったく異なります。
どれだけ走っても走り切れないほどの距離があるため、効率的なルート設計が旅の満足度を大きく左右します。
まず押さえておきたいのは、目的地やルートによって必要な日数が大きく変わるということです。
例えば、道南の函館や登別周辺をメインにした場合は3日間でも満喫できますが、道東の知床や釧路湿原まで足を延ばすとなると、最低でも5〜6日、できれば1週間ほどの余裕を見ておくと安心です。
ツーリング初心者であれば、1日の走行距離は200km程度に抑えるのが理想です。
北海道の道路は信号が少なく直線が多いため走行しやすいとはいえ、予想以上に風が強かったり、天候が急変することもあります。
そのため、時間には余裕を持ち、無理のないスケジュールを組むことが大切です。
さらに、宿泊地の選定も重要なポイントです。
キャンプを検討している場合、キャンプ場の営業期間や設備の有無を事前に調べておく必要があります。
ホテルを利用する場合は、観光シーズン中は混み合うため、早めの予約を心がけましょう。
ガソリンスタンドの間隔も忘れてはなりません。
都市部以外ではスタンドが少なく、特に道東や道北では100km以上スタンドがないことも珍しくありません。
そのため、こまめな給油と燃費の管理も計画の一部として組み込んでおくべきです。
このように、北海道でのツーリングは「走る」こと自体が旅の醍醐味になります。
その反面、綿密なスケジュールを立てずに出発すると、疲労やトラブルに繋がる恐れがあります。
どれだけ余裕を持てるかが、安心して北海道を楽しめるかどうかの分かれ道になるでしょう。
ツーリングマップル 北海道 2025 [ 昭文社 地図 編集部 ]
北海道ツーリング時期別おすすめルート
5日間 ルートのモデル紹介
北海道を5日間で巡るツーリングでは、走行距離や立ち寄りスポットを厳選することで、バランスの良い旅を実現できます。
ここでは、無理なく北海道の魅力を味わえるモデルルートを一例として紹介します。
出発地点は新千歳空港を想定します。
空港周辺でレンタルバイクを借りることができ、道央や道東方面へスムーズにアクセスできます。
初日は登別温泉を目指して南下し、移動距離は150kmほど。途中で支笏湖に立ち寄ることで、美しい湖畔の景色を楽しめます。
2日目は洞爺湖やニセコ方面へ進みます。
山間部のワインディングロードを楽しみながら、道内有数のリゾート地を体験することができます。
走行距離は約180kmを見込み、温泉地での宿泊がおすすめです。
3日目は旭川方面へ向かい、途中で美瑛や富良野の風景を楽しみながら走るルートを選びます。
この区間では、広大なパッチワークの丘やラベンダー畑など、北海道らしい自然が広がります。
距離は200km程度ですが、景色を見ながらのんびり走るとちょうど良いペースになります。
4日目は道東方面に向けて移動し、屈斜路湖や摩周湖を巡るルートに入ります。
天候がよければ、知床方面まで足を伸ばしてもよいでしょう。
ただし、移動距離は長くなるため、宿泊場所の調整がカギになります。
5日目は帰路に向かい、帯広や十勝エリアを経由して新千歳空港方面へ戻ります。
このルートでは、十勝のグルメやスイーツを楽しむのもおすすめです。
距離としては220kmほどを想定しておくと良いでしょう。
このような5日間のモデルルートでは、毎日200km前後の走行で、北海道の代表的なエリアをバランスよく網羅できます。
ただし、天候や道路状況により予定が大きく変わることもあるため、柔軟なスケジューリングと安全運転を心がけましょう。
初心者 ルートのポイント
初めて北海道でツーリングをする場合、ルート選びは旅全体の満足度に大きく影響します。
北海道は広大で魅力的なエリアが多い一方、距離感や天候、インフラの違いなど、本州の感覚では想像しにくい要素も多くあります。
そのため、初心者は「無理なく走れる」「アクセスしやすい」「景観が楽しめる」の3点を意識したルート設定が重要です。
まずおすすめしたいのは、道央を中心としたエリアです。
札幌を起点に、小樽や支笏湖、洞爺湖などへ向かうルートは、距離も比較的短く、道も整備されています。
市街地が近いためガソリンスタンドや飲食店、宿泊施設も多く、何かあったときの対応もしやすいのが魅力です。
また、変化に富んだ景色が短い距離で楽しめるのも初心者には嬉しいポイントです。
次に挙げられるのが、富良野・美瑛を巡るルートです。
新千歳空港からアクセスしやすく、道中の交通量も少なめ。広大なパノラマの中を走る爽快感は、北海道ならではの体験といえるでしょう。
ただし、直線道路が多いためスピードの出し過ぎには要注意です。
一方で、知床や宗谷岬などの道東・道北エリアは、魅力的ではありますが、移動距離が長く、天候も変わりやすいため、最初のツーリングには向いていないかもしれません。
慣れてきてから再チャレンジする方が、無理なく楽しめるでしょう。
初心者のうちは「走る楽しさ」よりも「安全に完走すること」を目的に置くと、トラブルも少なくなります。
休憩や観光に余裕を持ったプランを立て、走行距離も1日150~200km以内を目安にすると安心です。
これが、北海道ツーリングを楽しく始めるための第一歩です。
後悔しないための注意点
北海道ツーリングは多くのライダーにとって憧れの旅ですが、事前の準備や心構えが不十分だと、思わぬ後悔を招くことがあります。
特に初めて訪れる人にとっては、現地の環境や距離感に驚く場面も少なくありません。後悔しないためには、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。
まず一番多い後悔が「スケジュールに余裕がなかった」というものです。
北海道はとにかく広く、地図上では近く見える場所でも、実際には数時間かかることがあります。
観光や写真撮影に時間を取られると、予定通りに進めなくなってしまいます。
こういった遅れが重なると、宿への到着が遅れて疲労が溜まり、旅全体の満足度が下がってしまいます。
次に注意すべきは、天候の急変です。
特に道東や道北では、夏でも一気に10℃以上気温が下がることがあります。
雨具や防寒具を常備していなかったために寒さに耐えられず、ルート変更を余儀なくされたライダーも少なくありません。
日によっては、晴れた朝でも午後には濃霧やにわか雨が発生することがあるため、装備面はしっかり整えておきたいところです。
さらに、燃料切れによる立ち往生も後悔の原因としてよく聞かれます。
特に道東や道北では、次のガソリンスタンドまで100km以上ある場合もあります。
給油できるときにしておく、という意識が非常に重要です。
また、営業していないスタンドもあるため、ナビアプリやマップで事前にチェックしておきましょう。
このように、北海道ツーリングには特有の注意点がいくつもあります。
しかし、これらを事前に理解し対策を講じておけば、後悔の少ない、思い出に残る旅を実現できます。
慌てず、欲張らず、計画的に進めることが成功の鍵となります。
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北海道ツーリングで後悔しないための費用・宿泊・装備・ルート対策
季節ごとの服装と装備の違い
北海道ツーリングでは、季節によって気温差が激しいため、服装と装備を適切に変えることが快適な旅をするためのポイントになります。
春・夏・秋で必要なウェアや装備が大きく異なるため、どの季節に行くかによって準備内容はしっかりと見直す必要があります。
まず春、特に4月や5月は朝晩の冷え込みが非常に強く、防寒対策は欠かせません。
ジャケットはウィンターモデルに近い厚手のものを選び、インナーにも保温性の高いものを着用します。
また、グローブやネックウォーマーなどの小物も、防寒重視で選ぶと快適です。
この時期は路面状況も不安定なため、防水性能のあるライディングシューズも重宝します。
夏は北海道でも比較的気温が高くなるため、メッシュタイプのジャケットや通気性の良いインナーを用意しておくと快適です。
ただし、場所によっては標高が高く、風が冷たく感じられる場合もあるため、薄手のウィンドブレーカーを携行しておくと安心できます。
日中は暑くても、朝夕は冷える日が多いため、重ね着できるような装備が理想的です。
秋は気温が徐々に下がり、特に9月後半以降は一気に冷え込む日が増えます。
この時期は防寒性のあるジャケットやインナーを中心に、冬装備に近い構成で臨むのが無難です。
手先や足元の冷えを防ぐために、グローブや厚手のソックス、インソールも準備しておくと効果的です。
また、秋は風が強い日も多いため、防風性能の高いアイテムが重宝されます。
このように、季節によって必要な装備は大きく変わりますが、共通して言えるのは「いつでも対応できるように備える」ことです。
気温の急変や悪天候を考慮して、荷物にはある程度の余裕を持たせるよう心がけましょう。
これが、北海道ツーリングを快適に楽しむための基本です。
時期別に見た混雑状況と観光事情
北海道ツーリングでは、訪れる時期によって混雑具合や観光地の雰囲気が大きく異なります。
そのため、どの季節に出発するかを決める際は、観光事情や人の多さについてもあらかじめ知っておくことが重要です。
まず、7月から8月にかけての夏は、最も多くのライダーが訪れるハイシーズンです。
この時期は本州の梅雨明けとも重なり、涼しい気候を求めて全国からバイク乗りが集まります。
特にお盆休み前後にはフェリーや宿泊施設が予約でいっぱいになることも多く、有名な観光スポットや道の駅では駐車場の混雑が目立ちます。
富良野や美瑛、知床など人気エリアでは観光バスも増えるため、バイクでの移動がスムーズにいかない場面もあるかもしれません。
一方で、6月や9月は混雑がやや落ち着き、快適に走れる穴場の時期といえます。
6月は本州では梅雨の時期ですが、北海道は比較的降水量が少なく、道内の交通量もそこまで多くありません。
観光地も混み合わず、落ち着いた雰囲気でツーリングを楽しめます。
9月も観光シーズンの終わり頃で、気温は下がりつつも紅葉が始まる前の穏やかな空気に包まれています。
逆に、10月以降や4月以前は観光地そのものがクローズしているケースもあり、人が少ない反面、選べる飲食店や宿泊先も限られてくるため注意が必要です。
また、道路の凍結や積雪がある場合は走行自体が危険になる可能性があります。
事前に営業状況や交通情報を確認しておくことが欠かせません。
このように、時期によって混雑や観光事情には明確な違いがあるため、希望する旅のスタイルに合わせて訪れる時期を選ぶと、より満足度の高いツーリングが実現できます。
天候とツーリングの安全性について
北海道の自然は美しく、ライダーを魅了する景色が広がっていますが、同時に天候がツーリングに大きな影響を及ぼすという事実も忘れてはなりません。
天候と安全性の関係は非常に密接で、準備不足のまま走り出すとリスクが高まります。
北海道の天候は地域差が大きく、同じ日でも道央は快晴、道東は濃霧というケースも珍しくありません。
また、海沿いや山間部では突発的な強風やスコールのような雨に見舞われることもあります。
ライダーにとってこうした急変は判断を誤りやすく、結果として事故や立ち往生につながる危険性があります。
例えば、夏の知床や稚内周辺では、晴天から突然霧に包まれ視界が一気に悪化することがあり、こうした場合は無理をせずスピードを落とす、もしくは安全な場所で一旦停車する判断が求められます。
また、9月以降は早朝や夕方の気温が急激に下がるため、路面のコンディションが悪化しやすくなります。
特に橋の上や日陰のカーブではスリップに注意が必要です。
さらに、7月下旬から8月にかけては「北海道らしくない」蒸し暑い日がある反面、標高の高いエリアでは一枚上着が必要な寒さに変わることもあります。
体温調整ができる服装や、急な雨に対応できる防水装備を常に携行しておくと安心です。
そして、安全性の観点では、ツーリング中の休憩も重要です。
広大な直線道路が続く北海道では「走り疲れ」に気づきにくく、集中力が途切れたまま走行することがあります。
2時間ごとの休憩を心がけ、無理をしないスケジュール管理が求められます。
このように、北海道の自然を楽しむためには、天候に対する柔軟な対応と、日ごろの安全意識が不可欠です。
事前に天気予報や道路情報を確認し、その日の状況に合わせてルートや装備を調整できるかどうかが、安全で快適な旅を分けるポイントになります。
フェリー・宿泊の予約タイミング
北海道ツーリングを計画する際、フェリーと宿泊施設の予約は旅全体の成否を左右する重要なステップです。
とくに人気のある時期には早期予約が必須となるため、どのタイミングで手配を進めるべきかを把握しておくと安心です。
フェリーについては、夏休みや大型連休中に利用を考えている場合、2〜3ヶ月前の予約が理想的です。
とくに7月下旬から8月中旬は、バイク用のスペースがすぐに埋まってしまうことが多く、出発日や便の選択肢が狭まります。
また、復路の便も同時に確保しておかないと、帰りの予定が立たずに困ることもあるため、往復セットでの予約がおすすめです。
宿泊に関しては、都市部や有名観光地のホテル・旅館はもちろん、ライダーハウスやキャンプ場も同様に混雑します。
こちらもできれば1〜2ヶ月前からの手配が望ましく、連休や土日にかかる日程ならさらに余裕をもって調整しておくと安心です。
特にライダーハウスは設備や価格が魅力的で人気が集中するため、早い段階で満室になる傾向があります。
一方で、6月や9月の比較的閑散期であれば、1~2週間前でも空きがあることがあります。
ただし、悪天候や変更が生じた場合に備え、キャンセルポリシーの緩いプランを選んでおくと柔軟な対応ができます。
また、近年ではオンライン予約サイトの他に、各施設の公式サイトやSNSでの空室情報も発信されています。
これらを活用することで、直前でも空いている宿を見つけやすくなるでしょう。
このように、フェリーと宿泊の予約は「時期」と「柔軟性」がポイントです。
行き当たりばったりの旅も魅力ですが、安心してツーリングを楽しむためには、ある程度の計画性が必要です。
早めに動くことで、無駄なストレスを減らし、旅を最大限に楽しめる体制が整います。
北海道ツーリング時期毎の特徴と選び方のまとめ
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1月〜3月は積雪と寒さでツーリングに極めて不向き
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氷点下の気温と凍結路面によりバイク走行は危険
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4月は道南以外に残雪が多くルート制限がある
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5月は桜が咲き始め春の景色を楽しめる
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6月は梅雨の影響がなく快晴が多く快適
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7月は気温25度前後でライダーに人気の時期
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8月はイベントが多く観光とツーリングを両立できる
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9月は紅葉が始まり落ち着いた旅ができる
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10月は前半は秋の景色を楽しめるが後半は降雪の恐れがある
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11月は寒さが増し路面凍結リスクが高まる
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12月は積雪でツーリングは事実上困難になる
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春と秋は寒暖差が激しいため服装に注意が必要
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夏は快適だが場所によって朝夕は冷え込む
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道北・道東は気温が低く天候が急変しやすい
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各時期の特性に合わせた準備が安全で快適な走行に繋がる